「剣の山」観てきた2018年02月06日 09時36分09秒

上坂浩光監督作品のプラネタリウムドーム映画「剣の山」を観てきた。
http://kysm.or.jp/立山黒部ジオパーク映画「剣(けん)の山」.html
黒部市吉田科学館の企画で制作されたもので(確認していないけど多分そう)、今回、特別に東京で上映会&トークライブがあったので行ってきた。
とても複雑で味わい深い作品である。
作品の柱は、科学解説と青春ドラマだ。黒部立山ジオパークを舞台に、父親を山で亡くした少年と、所属する高校科学部の仲間、顧問の先生のやりとりで進行していく。
こういう作品は、登場人物に科学解説をさせると説明セリフになってしまうし、子どもたちのやりとりはどこか道徳番組のようにぎこちなくなりがちだ。実際、この作品もその傾向から逃れられてはいない。とはいうものの、科学とドラマがうまい具合に絡み合っていることでそれほどの違和感なく観ることができた。
そう言うと平凡な作品のようだが、決してそんな事はない。ドームで観る黒部立山の風景やCGを交えた映像は素晴らしく、没入感に浸りきることができたし、科学解説もわかりやすい。ドラマでありながら、ドキュメンタリー映画のような雰囲気もある。とにかくその盛りだくさんぶりに圧倒される。
そして観終わった後に残る、不思議な余韻…本当に不思議としか言いようがない。
正直言って個々の要素がガッチリ噛み合って昇華して…という映画ではない。むしろ淡々としているし、そこまで計算ずくではない感じもする。でも何故か、独特の余韻があるのだ。
いろいろ考えた末、この余韻は、製作者の眼差しが為せる業ではないか、と思うに至った。
トークショーで監督自身が語っていた「(良い)人間関係を描きたい」「科学は人の心に届き、救うことができる」という思いが、決して派手な現れ方ではないけれども、作品に一貫して流れていると思うのだ。それが、約45分間の中に詰め込まれた、様々な要素を心地よくまとめ、ラストにつなげているのではないか。
それにしても僕一人だけでもこんなにあれこれ考えてしまうのだから、きっと色々な人が、色々な感想を言っているのだろうなあ。